コートの下
理由なんてないんだ
怒りなんて 愛なんて
理不尽な色彩が
変わるがわる
過ぎていく
父が現れ母もすぎて
言葉はなにも繋がらない
コートにピストルをしのばせて
ただ歩く 理由なんてないんだ
殴るも 口づけも
たいした意味はないんだ
赤く染まる空
山が真っ二つに割れて
笑いが込み上げてくる
悲しいのか
腹が立つのか
わからない
理不尽なんだ
愛も怒りも
表層的なだけで
流れていくのに
深読みだけはしてしまう
共感をさそうようにしても
出鱈目で猿真似の空白しか浮かばない
誇大なダンス
煌びやかなネオン
コートの下には弾丸