ひまわり
咲く花の倒れるのをみて
とらわれたんだ
キミみたいに笑顔で
曇った空に歩く黒猫をみて
単純に落ち込んで
曲が浮かぶたび不安の陰が押し寄せて
絵画みたいな悲壮がやってくる
成功は怖いんだ
赤子みたいな肌の心が
花咲くひまわりを見て
一眼で恋をした夏は
秋草を踏み締めた頃には
なにも残らなかった
ひたすら歩いてオクターブに合わせて
記憶を手探りに
穴倉の恐怖が
ひまわりの死体が
目に飛び込んだ
不安が咲き乱れ
ひまわりが心を支配した
明るい絶望が
咲き乱れ
不安が開花した
青空の恐怖
海が怖くて
ひまわりは咲いた
不安の種が
死体になって横たわっていたんだ
原始の不安は緑には癒せない
癒せないから歩いた
樹々は知っている
ひとの身勝手を 悪戯を