溢れた月
やはり黄色いのか
理由があるのなら
雪に聞いてくれ
降るわけを
あなたがやってきたわけを
最初みたとき
ぼくは瞳を見れなかった
恥ずかしいとか
怖いとか
月の瞳に吸い込まれて
小悪魔のように微笑んで
脳内を支配し始めたあなたを
恋というには激しい対戦だった
第二次世界大戦の前夜の会食のように
緊張がネズミのように走り回っていた
夕暮れ あなたは泣いていた
涙は嫌いだった
見たくもないのに
あなたの瞳から
白い月がこぼれるのをみた
なぜ人は別れるのですか
月は白いのですか
雪は降るのですか
何億光年の一瞬と呼ぶなら
私たちの恋は愛は儚いより
たんに無駄だ
なぜ泣くのですか 理由なんかありません
誰もが死に 笑います 出会い 別れます ゆきに聞いて下さい 普通の日に私は生まれ 人並みに不幸でした ある寒い夜の日 ぼくたちは出会いました ありふれた出会いにわけなど必要ですか ぜひあの月の夜に訪ねて下さい
涙は嫌いだった 月の瞳に奪われて頭は真っ白だった 月が涙となって落ちてきて すべてが台無しになった 世界が終わった日 ありふれたなんてことのない朝がやってきた ようやく終わったんだ
ひとりになってわかったんだ
悲しみを影を身体に染み付かせた
無言の悲しみを背負う人の痛みが
寄り添う前に
ひとりの人して
手遅れだとしても
雪に聞いてください
月に聞いて下さい
次に聞いて下さい
あなたはまだ愛していますか?
あなたはまだ泣いていますか?